赤トンボの羽化殻を指標とした市民参加型の水田環境評価

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タイトル別名
  • Assessment of Paddy Environment using Emergence Husks of Red-dragonflies with Civic Participation
  • アカトンボ ノ ウカカク オ シヒョウ ト シタ シミン サンカガタ ノ スイデン カンキョウ ヒョウカ

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抄録

近年、日本の水田における赤トンボが減少している。しかし、その実態や原因、および稲作方法との関係は分かっていない。ここでは、水田における赤トンボの生息環境を把握するため、代表的な3種の赤トンボ(アキアカネ、ナツアカネ、およびノシメトンボ)の生息数と水田の使用農薬、水管理の相互関係を比較検討した。なお、赤トンボの生息数はトンボの羽化殻数で代換し、その採集は営農者の協力で行った。水田の営農方法(使用農薬や水管理等)は営農者へのアンケートで収集した。その結果、1)新潟県の赤トンボの羽化のピークは6月末であったこと、2)新潟県の赤トンボ占有種はアキアカネであったこと、3)羽化前の中干しがトンボの羽化に負の影響を及ぼしたこと、4)苗箱施用殺虫剤、特にネオニコチノイド系殺虫剤は赤トンボの羽化に負の影響があったこと、5)殺虫剤を施用していない有機水田における羽化殻採集数は多くなかったこと、などが分かった。

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