四極性キノコのヒラタケの4種類の1核性菌糸とそれらから構成される2種類の2核性菌糸との共生培養によるタカツルラン(ラン科)種子の発芽と生長

書誌事項

タイトル別名
  • Germination and growth of Erythrorchis ochobiensis (Orchidaceae) co-cultured with four sib-monokaryons and two reconstituted dikaryons of the tetrapolar fungus Pleurotus ostreatus

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説明

四極性キノコのヒラタケから得た4種類の1核性菌糸(A1B1,A2B2,A1B2,A2B1)とそれらから構成される2種類の2核性菌糸(A1B1×A2B2,A1B2×A2B1)の各菌糸と菌類従属栄養植物のタカツルラン(ラン科)の種子との共生培養を試みた。A1B1-A2B2交配系との共生では,種子の発芽率は1核性のA1B1菌糸とでは中程度(20%~50%)であり生長は遅~中程度(プロトコーム以上の生長が50%以下)であった。A2B2菌糸とでは発芽率は低く(~20%)生長も遅かった(プロトコーム以上の生長が20%以下)。しかし,2核性のA1B1×A2B2菌糸とでは発芽率は高く(50%以上)と生長も早かった(プロトコーム以上の生長が50%以上)。いっぽう,A1B2-A2B1交配系との共生では,1核性のA1B2菌糸とでは種子の発芽率は高く生長も早かったが,A2B1菌糸とでは発芽率が低く生長も遅かった。2核性のA1B2×A2B1菌糸とでは種子の発芽率は高く生長も早かったが,A1B2菌糸より劣っていた。これらのことから次のようなことが言える。(1)2核性菌糸のほうが1核性菌糸より発芽率,成長共に良い。ただし,1核性菌糸A2B1は例外的に良い結果を齎した。(2)1核性菌糸から得られる共生の結果は2核性菌糸の結果に比べ変異が大きい。これらの結果を交配型因子と共生の発現との関連において考察した。

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