農場と食鳥処理場におけるカンピロバクター汚染の疫学

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タイトル別名
  • Epidemiology of Campylobacter contamination in broiler farms and processing plants
  • ノウジョウ ト ショクチョウ ショリジョウ ニ オケル カンピロバクター オセン ノ エキガク

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抄録

人のカンピロバクター感染症は,先進国における食品由来胃腸炎の最も一般的な原因である。多くの研究において,家禽あるいは家禽製品の消費が人の主な感染源として証明されてきた。したがって,家禽および家禽肉におけるカンピロバクター汚染の減少は,人の食中毒事例数の減少に不可欠である。鶏群のカンピロバクター汚染における典型的な汚染源や汚染経路はいまだ不明であるが,季節や気候といった制御不可能な環境的リスク要因の他,鶏群の飼育管理に関わる様々なリスク要因が明らかになりつつある。なかでも農場や鶏舎のバイオセキュリティの強化は,鶏舎外や農場外に存在する様々な潜在的汚染源と鶏群の間を隔てることであり,実施可能である。一方,食鳥処理場でのと体の交差汚染については,リスク低減策の一つである汚染鶏群および非汚染鶏群の区分処理は,処理場の稼働・運営システム自体の再構築を必要とするため,その実施は単純ではない。しかし,従業員の教育・訓練は様々なリスク要因をできるだけ排除するために今でも実施可能であろう。リスク評価の結果を受けて,消費段階で生食頻度を低下させることも確かに重要であるが,食品生産工程の各段階においてもできること・すべきことを着実に行っていく努力が必要である。

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