Metabolic analysis of a phosphotransferase system-deficient strain of Lactobacillus plantarum NCIMB 8826

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  • ホスホトランスフェラーゼシステムを欠損したLactobacillus plantarumの代謝解析
  • ホスホトランスフェラーゼ システム オ ケッソン シタ Lactobacillus plantarum ノ タイシャ カイセキ

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本研究では代謝改変を利用した乳酸菌による物質生産系の構築の基盤整備の一助として,糖の取込み経路に関する検討を行った。宿主として供試したL. plantarum NCIMB 8826 (野生株)では,代謝改変によるコハク酸やソルビトールなどの発酵生産系の構築が試みられており,本菌株の基質の取込み経路に関する知見を得ることは上記の種々の発酵生産系の発展につながると考えられる。他の乳酸菌種での報告から乳酸菌の主要な糖取込み経路はPTSであると考えられた。そこで,野生株のPTSを介した糖取込み能を欠如した変異株を作出し,野生株と諸性質を比較することでL. plantarum NCIMB 8826の糖取込み系のタイプを判定した。その結果,PTS破壊株は13種類の糖源を資化できなくなり,これらには一般にPTSを介して取込まれるフルクトース,ソルビトールなど9種類の糖と,非PTS系として扱われるガラクトースなど4種類の糖を含んでいた。そして,PTS破壊株はグルコースおよびマルトースを唯一の炭素源として生育可能であり,非PTS系による取込み経路が機能していることが明らかとなった。また,野生株とPTS破壊株の性質の比較により,非PTS系を用いた乳酸生産が菌体に与える影響の一端を明らかにした。本研究の成果を発展させることは,発酵生産系の目的物質に合わせた特定の糖原のみを利用する乳酸菌株の構築などに繋がる可能性がある。

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