トルコキキョウにおける葉色低下の原因とその改善策

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  • トルコキキョウ ニ オケル ハイロ テイカ ノ ゲンイン ト ソノ カイゼンサク

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トルコキキョウにおいて発生した葉色の低下についてその原因を推定した。障害発生葉は,測定した元素の中では,鉄(Fe)の含有率が最も顕著に減少し,逆にリン(P)が最も顕著に増加する傾向が認められた。これら障害が発生した植物体を用い,培養液の交換およびpHを酸性,中性,アルカリ性にすることにより,その後の葉色の変化を調査した。また,葉色低下の原因が培養液のアルカリ化に伴うFeの吸収阻害であるとの作業仮説を立て処理区を設定したが,アルカリ化による葉色低下は認められなかった。以上のことから,特に初期の培養液において,微量元素であるFeの吸収が阻害され葉色低下を引き起こしたと想定され,初期の養液は6.5~7.5の範囲で制御する必要があることが示唆された。しかし,このような葉色低下は培養液の交換により数日中に改善した。回復後は,微量要素が沈殿するようなアルカリ性でも,障害は発生せず,養液栽培においてもトルコキキョウはアルカリ耐性が強いことが示唆された。一方で,酸性条件では部分的に根腐れを生じ酸性耐性は低いと考えられ,酸でpHを調整する場合はタンク内で充分にpHを調整してから,栽培槽に導入する必要がある。

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