パキスタンのcotton leaf curl diseaseの病原である単一ゲノムタイプのベゴモウイルスとDNAβサテライト複合体においてDNA1の随伴は常には起きない

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タイトル別名
  • DNA 1 is no longer a constant feature of the monopartite begomovirus DNA beta complex causing cotton leaf curl disease in Pakistan

抄録

ベゴモウイルスに1本鎖DNAサテライトが付随することは比較的最近の発見であるが,これらの複合体は単一ゲノムタイプのベゴモウイルス(ジェミニウイルス科)とベータサテライトと呼ばれる小さい環状サテライトからなり,サテライトはヘルパーウイルスの病徴に関与する。アジアではこの複合体に,さらに3番目のDNA1として知られるサテライト様粒子が常に付随していることが示されており,パキスタンとインド西部に広まっているcotton leaf curl disease(CLCuD)の病原も,このような複合体からなっているとされてきた。しかし本研究においてPCR法による増殖,ローリングサークル法による増殖およびサザンブロットハイブリダイゼーションにより,近年採集した試料ではDNA1は必ずしもCLCuDの病原複合体に付随しないことを認めた。すなわち,2005/2006採集および2009/2010採集のCLCuD罹病ワタ66試料からは2005/2006採集の2試料のみがDNA1を付随しており,その全塩基配列を解析しDNA1が付随しないCLCuD病原の発見について議論した。

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