森林総合研究所四国支所のチョウ類相

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タイトル別名
  • Butterfly fauna of Shikoku Research Center, Forestry and Forest Products Research Institute
  • シンリン ソウゴウ ケンキュウジョ シコク シショ ノ チョウルイソウ

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抄録

高知県高知市の森林総合研究所四国支所において、1991年~2012年までに採集・観察されたチョウを記録した。さらに四国支所に保管されている過去の標本を調べ、採集データを抽出した。その結果、アゲハチョウ科8種、シロチョウ科6種、シジミチョウ科13種、タテハチョウ科22種、セセリチョウ科6種、合計55種が記録された。そのうち、ヤクシマルリシジミは、1990年代後半以降に四国支所に侵入したと考えられた。迷チョウであるクロマダラソテツシジミを除いた54種について田中の指標に基づいて分類したところ、森林性種は37種(69%)、草原性種は17種(31%)であった。巣瀬の環境評価指数(EI指数)は105で、「良好な林や草原」にあたる「多自然」と評価された。2006年以降に確認された種に基づいた場合のEI指数は96で「農村・人里」にあたる「中自然」と評価された。記録種の地理的分布型の構成比を日本全体と比較すると、日本を分布南限とする北方系のシベリア型やウスリー型の種は少なく、日本を分布北限とする暖地性のマレー型や、東アジアに主な分布域を持つヒマラヤ型の種が占める割合が高かった。1990年代前半には、国のレッドリストまたは高知県のレッドデータ・リストに掲載されたツマグロキチョウ、ウラゴマダラシジミ、メスグロヒョウモンが採集されたが、2000年代以降にはツマグロキチョウとウラゴマダラシジミは記録できなかった。

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