カツオの餌付の数理的取扱い

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タイトル別名
  • カツオ ノ エズケ ノ スウリテキ トリアツカイ

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抄録

カツオ漁業に於て、群の餌付が非常に重大視されている。併しこの餌付の判定については、全く漁業者の判断にまかせられ、又つの判断の基準は全く不明であった。そこで、餌付の程度を漁獲曲線の上から次の様に求めた。魚群の構成尾数N・餌付係数λの群について操業した場合、漁獲尾数ωは、ω=N[1-(1+λt)e-λt]0.3=Nλ2te-λtで示される。之からλ及Nを各群について求めると、漁業者の餌付判断は、同程度の餌付を持つ魚群でも、大群程餌付良好と判定され易く、小群では余程餌付が良い場合以外不良と判定され易い傾向がある。又漁船が操業している群は、Nλ2>c'(一定値)の条件が必要で、その為に小群の場合餌付不良群は操業対象になり難い。殊に1,000尾以下の群では、餌付良好群のみが操業され、不良群は操業されず報告もないので、λの平均値は統計的に有意差があり、従って今後餌付の問題を取扱う場合には、之等の群を取除く必要がある。

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