培養温度及び土壌容水量の違いによる堆肥窒素の無機化特性

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タイトル別名
  • Effect of incubation temperature and water holding capacity of soil on the mineralization of manure nitrogen
  • バイヨウ オンド オヨビ ドジョウヨウスイリョウ ノ チガイ ニ ヨル タイヒ チッソ ノ ムキカ トクセイ

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抄録

ビン培養を温度5,10,15,20,30℃、土壌最大容水量(以下、容水量)の60%で行った結果、牛ふん堆肥は、培養温度が上がるほど有機化した。豚ぷん及び鶏ふん堆肥は、培養温度5℃ではアンモニア態窒素のまま推移したが、培養温度が高くなるに従い硝酸態窒素まで無機化した。4種の牛ふん堆肥のうち2種は、培養温度30℃における容水量の60,70,80%では、無機化が進んだが、他の2種は有機化した。豚ぷん堆肥は一旦有機化した後無機化し、鶏ふん堆肥は初期から無機化した。容水量の90%では、全堆肥で有機化した。容水量の100%、30℃培養では、土壌水分を徐々に減少させることにより、一旦有機化した窒素が再無機化したが、培養期間3ヵ月では、容水量の60%の水準までの無機化率には至らず、培養20℃以下でも無機化率は低かった。以上のことから、牛ふん堆肥は硝酸態窒素が多く含まれ低温では有機化が起こりにくく、寒冷地でも有効利用できるが、豚ぷん及び鶏ふん堆肥は、低温では硝酸化が小さく、過湿・低温条件では有機化による窒素飢餓が懸念されるため、作物栽培では注意が必要である。

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