瓦礫の堆積に対応したホッキガイ貝桁網の新しい操業方式

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タイトル別名
  • A new fishing method of the surf clam dredge under a rubble-strewn condition
  • ガレキ ノ タイセキ ニ タイオウ シタ ホッキガイガイ ケタモウ ノ アタラシイ ソウギョウ ホウシキ

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抄録

東日本大震災による津波に伴う瓦礫の流入で,山元地先海域の基幹漁業であるホッキガイ貝桁網漁業が操業できない状態である。本研究では,漁場内の瓦礫分布状況を調べ,さらに瓦礫の存在を前提とした操業方式を検討した。1) 2011年から2012年までの瓦礫の経時変化を魚群探知機およびサイドスキャンソナーを用いて調査した結果,被災当初は瓦礫・ゴミが漁場全域に存在したが,時間とともにゴミは流出し,現在は主要漁場内に重量物の瓦礫が多数残存している。2) 瓦礫分布の経時変化および国土交通省の瓦礫分布データから作成した瓦礫マップと,噴流式貝桁網を組み合わせた実証試験では,瓦礫への引っ掛かりは1度も発生せず,本方式が有効であることが示された。3) ホッキガイ資源の現状についてのデータも蓄積できた。ホッキガイは10~12m帯に高密度の分布が見られ,漁業再開時の当面の漁獲対象資源の存在を確認した。2005,2006,2009および2011年級群が残存資源の主体を構成している。4) 今後は,従来型貝桁網と噴流式貝桁網の併用を軸とした,効率的な運用方法および資源管理方策を策定していく必要がある。

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