アニマルウェルフェアに配慮したケージ飼いでの採卵鶏の生産性評価

書誌事項

タイトル別名
  • アニマルウェルフェア ニ ハイリョ シタ ケージ カイ デ ノ サイラン ケイ ノ セイサンセイ ヒョウカ

この論文をさがす

抄録

今後の日本の畜産にアニマルウェルフェア(AW)への対応が求められると考え、AW対応採卵鶏ケージ(福祉ケージ)の各資源に注目して、既存ケージを改造し、採卵鶏の生産性を比較検証した。試験区には、大型ケージにそれぞれ1区は砂場、2区は人工芝、3区は止まり木(低)、4区は止まり木(高)、5区はネスト(小)、6区はネスト(大)を設置したものを用い、対照区(7区)に従来型ケージ(2羽飼い)を用いた。資源別では、2区の人工芝より1区の砂場、4区の止まり木(高)より3区の止まり木(低)、6区のネスト(大)より5区のネスト(小)で飼料要求率が優れた値となった。今後、砂場、止まり木(低)、5区のネスト(小)の3つの資源を組み合わせた試験を行い、福祉ケージとして利用できるのかどうかの検証が必要になる。また、4区は生存率40%、へンハウス産卵率72.3%、飼料要求率2.12でいずれも他の区より劣り、7区は同95%、92.4%、2.02で最も優れた結果となった。4区での生産性低下は止まり木の高さが逆にストレスになったと考えられた。今回の試験結果においては、7区の従来通りのケージ飼いは採卵鶏の生産性を上げるという面で最も適した構造だと言える。しかしながら、行動の自由が制限され、つつきによる裸性スコアの上昇など、鶏の快適性を求める点で4区以外の各区に劣っており、慰安及び敵対行動発現の評価等更なる検証が必要であると考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ