家族農業経営を通してみる韓国農業の構造変化

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  • Evaluating structural change in Korea from the perspective of family farm

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抄録

本研究は,韓国の家族農業経営を通して,韓国農業の構造変化を展望したものである。分析に当たっては,一つに,農業センサスにより,経営資源および生産手段の所有と利用をめぐって,韓国の家族農業経営は,企業組織による内部取引より市場取引を選好していることを確認した。二つに,社会的慣習もしくは取引環境としての家族制度,農村コミュニティのガバナンス構図,産業化のプロセス,租税制度は,農業への参入,経営資源や生産手段の市場取引を妨げる要因ではないことを論証した。このような分析により,農業への参入制限がなく,かつ経営資源や生産手段を各々の市場から自由に調達できる取引環境の下では,企業的経営による農地の蓄積や経営管理の高度化は進まず,零細農家が大部分を占める農業構造に大きな変化は期待できないという結論を導いた。

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