「苗箱まかせ」を用いた水稲栽培 : 根箱およびポット試験

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  • 「 ナエバコマカセ 」 オ モチイタ スイトウ サイバイ : コンバコ オヨビ ポット シケン

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2012年に水稲品種コシヒカリ,新大正もちおよびつくばSD1を材料に用いた根箱試験(リン酸施用量を標準の半分)とポット試験(リン酸肥料を標準の2倍量)を実施した。本試験では,市販の苗箱まかせを利用して育苗した苗を使用した。リン酸施用量を標準の半分にしても,草丈,茎数,SPAD値に有意な差は認められず,最大根長,根数,葉鞘・茎乾物重,土壌階層別の根系乾物重および総根乾量についてもリン酸施用量の違いによる有意な差が認められなかった。ポット試験ではコシヒカリおよびつくばSD1を材料に用い,リン酸施用量を増加させた場合に各種成育量に及ぼす影響を検討した。リン酸施用量を2倍にしても草丈,茎数,SPAD値,最大根長; 根数および各乾物重にほとんど差が認められなかった。試験は市販培土の使用を基本としたため実験遂行上の安全性を考慮してリン酸無施用とはしなかったが,リン酸の施用量を減少または増加させても草丈,茎数および根系成育量にリン酸施用量の違いによる有意差が認められないことがコシヒカリ,新大正もちおよびつくばSD1で認められた。本田に元肥を施用し追肥を行う慣行栽培よりも苗箱まかせを利用する育苗箱全量施肥法を用いた水稲栽培が省力・低コスト生産技術として有効であり,また北陸地域における水稲栽培ではリン酸施用の必要性はないものと考えられた。

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