卵胞刺激ホルモン製剤1回投与による黒毛和種の過剰排卵処理簡易化の検討

書誌事項

タイトル別名
  • ランポウ シゲキ ホルモン セイザイ 1カイ トウヨ ニ ヨル クロゲワシュ ノ カジョウ ハイラン ショリ カンイカ ノ ケントウ

この論文をさがす

抄録

黒毛和種の過剰排卵処理の省力化および牛への注射ストレス軽減のため、50ml(50ml区)または10ml(10ml区)の生理食塩水に溶解した卵胞刺激ホルモン(FSH)製剤30AUの頸部皮下1回投与を行い、採胚成績および過剰排卵処理開始から採胚時の卵巣所見を、現在、一般的に用いられている投与法である頸部筋肉内への漸減投与法(1日2回・3日間、FSH製剤投与総量20AU: 対照区)と比較した。採胚成績では、50ml区、10ml区ともに対照区と比べて採胚総数(21.0個、16.0個 vs. 10.3個)、変性胚数および未受精卵数が増加した。しかし、正常胚数は50ml区(12.3個)が対照区(8.0個)と比較して増加したが、10ml区(5.0個)は減少した。卵巣所見では、過剰排卵時の卵胞の発育は3区とも同様の経過であったが、直径5mm以上の卵胞数のピーク時点での数は、50ml区、対照区、10ml区の順で多く、それぞれ28.0個、20.0個、17.7個であった。採胚時の黄体数は、50ml区が19.0個、10ml区が6.7個、対照区が17.0個であった。この結果より、FSH製剤の1回投与による黒毛和種の過剰排卵処理は、溶媒となる生理食塩水の量を50mlに増量することで、従来法と同程度の採胚成績が得られると考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ