飼料用水稲品種「モミロマン」の育成

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タイトル別名
  • 'Momiroman', a new rice cultivar for feed use
  • シリョウヨウ スイトウ ヒンシュ モミロマン ノ イクセイ

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説明

「モミロマン」は、九州農業試験場(現九州沖縄農業研究センター)において「IR65598-112-2」に「西海203号」を3回戻し交雑した雑種後代から、九州農業試験場と作物研究所で選抜し、育成した飼料用の水稲品種である。「関東飼226号」の地方系統名で栽培性を検討し、優秀性が確認されたため、2008年に品種登録出願を行った。この品種の育成地(茨城県つくばみらい市)における早植多肥の移植栽培における特徴は以下の通りである。1. 出穂期は「日本晴」より2日程度早く、関東地域では“中生の晩”に属する。黄熟期は「日本晴」より数日遅く、成熟期は「日本晴」より10日から2週間遅い。2. 稈長は「日本晴」並みで、穂数は少なく、草型は“極穂重型”である。耐倒伏性は“極強”で直播栽培にも適する。3. 粗玄米重は「日本晴」より38%、「タカナリ」より15%多い。黄熟期の株全重による可消化養分総量(TDN)収量は「日本晴」より8%、「タカナリ」より9%多い。4. いもち病真性抵抗性遺伝子型は不明で、葉いもち・穂いもち圃場抵抗性も不明である。5. 玄米の外観品質と米飯食味は著しく不良で、一般食用米と識別できる。6. 以上の多収性や耐倒伏性などの特性から、「モミロマン」は飼料用米と稲発酵粗飼料への用途に適すると考えられる。

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