糖質,チオ硫酸銀錯塩(STS)およびこれらを組み合わせた前処理がバラ切り花の品質保持期間と観賞品質に及ぼす影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Effects of pulse treatment with carbohydrate, silver thiosulfate anionic complex (STS) and their combination on the vase life and the ornamental quality of cut rose flowers
- トウシツ,チオ リュウサンギンサクエン(STS)オヨビ コレラ オ クミアワセタ マエショリ ガ バラ キリバナ ノ ヒンシツ ホジ キカン ト カンショウ ヒンシツ ニ オヨボス エイキョウ
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説明
高温期でも5~7日間の日持ち保証販売に対応できるバラ切り花の品質保持方法の確立を目的とし,特に生産者段階での前処理に重点を置いて,前処理時の糖質,STSおよびこれらの組み合わせ効果,STS前処理と消費者用品質保持剤による品質保持効果,その品種適応性,予冷を想定したSTS前処理のタイミングについて,主に観賞気温30℃条件下で調査した。前処理において,1~2%のグルコースおよびスクロースは観賞時の相対新鮮重,相対花径を増加させる傾向がみられたが,品質保持期間の延長には効果が認められなかった。エチレン阻害剤であるSTSは,濃度0.05mMで24時間程度処理し,新鮮重100gあたりの計算上のAg吸収量を0.5~1.8μmolの範囲にすることで,薬害はなく,バラ切り花の品質保持期間を延長できることが明らかになった。0.05mM STSの前処理後,流通から観賞期間まで糖質を含む消費者用品質保持剤を使用することは,多くの品種で高い品質保持効果が得られ,観賞期間は品種により異なるが8~21日となった。0.05mM STSに2%グルコースを組み合わせた前処理は,品種によっては開花を促進する効果がみられた。予冷3日を想定したSTSの前処理は,始めまたは終わりのいずれの24時間処理とも予冷1日における24時間処理と同等の品質保持効果が認められた。以上のことから,バラ切り花の前処理は0.05mM STSを気温5℃条件下で24時間程度処理し,流通から観賞期間までの処理には糖質を含む消費者用品質保持剤を使用することが観賞時の品質保持に有効であると結論した。
収録刊行物
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- 山形県農業研究報告
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山形県農業研究報告 (9), 43-58, 2017-03
山形 : 山形県農業総合研究センター
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050282813743663744
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- NII論文ID
- 40021156935
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- NII書誌ID
- AA12403495
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- ISSN
- 18834655
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- NDL書誌ID
- 028097306
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB
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