玄米貯蔵条件が澱粉の糊化及び米菓品質に及ぼす影響

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  • ゲンマイ チョゾウ ジョウケン ガ デンプン ノ コカ オヨビ ベイカヒンシツ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

玄米の貯蔵条件が、その性状及び米菓加工性に与える影響について検討を行い、以下の結果を得た。(1)貯蔵中の玄米の水分は相対湿度により変化し、この水分変化により精米の搗精状態も変化した。玄米の水分変動を少なくするためには、貯蔵中の相対湿度を70%程度に保持する必要が認められた。(2)玄米の脂肪酸度は,貯蔵期間及び温度、品種により異なる変化を示したが、温度が高くなるほど、期間が長くなるほど大きな変化を示した。(3)精米の糊化特性は、貯蔵温度が高くなるほど、貯蔵期間が長くなるほど変化が大きくなり、特に最高粘度の上昇が著しかった。この糊化特性の変化には、貯蔵中に遊離した脂肪酸の関与が推察された。(4)貯蔵温度が高くなるほど、貯蔵期間が長くなるほど米菓品質に及ぼす影響は大きくなり、その影響の程度はうるち米よりももち米の方が大きいことが認められた。(5)以上の結果より、貯蔵による米菓加工性の劣化を防止するためには,温度にとどまらず相対湿度を70%程度に保持することが必要あると考えられた。

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