新燃岳噴火直後に採取した火山灰の性状

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  • Properties of the volcanic ashes collected just after falling from the Shin-Moe Mountain

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抄録

霧島連山・新燃岳は,2011年に再噴火を起こし,その後,現在まで火山活動を継続している。特に,同年1月26日~30日の噴火では,噴出した大量の火山灰が宮崎県から鹿児島県にかけて降下し,大きな社会的問題となった。本県工業技術センターでは,多くの企業が所有する各種精密機器やクリーン環境の製造プロセス,また,食品加工産業などに対する悪影響などを想定し,例えば,コンタミネーション対策に役立てるため,火山灰の性状を明らかにすることにした。本報では,コンタミネーションの主因になる微細な火山灰に着目し,降雨によって表面付着物が除去される前の降下直後の火山灰を採取して分析に供した。その結果,火山灰の構成成分は,その粒径にかかわらず,すなわち,降下距離によらずほぼ同一であること,また,表面には,可溶性の陰イオンが量的にSO4 2->Cl->F-の順で付着していることなどが明らかになった。なお,火山学的なアプローチは専門機関の報告に譲ったが,資源利用の可能性を考慮し,桜島火山灰及び姶良カルデラを起源とするシラスとの成分比較を行った。

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