オランダのスマート農業における金融機関の役割 ―ラボバンクの貸出業務とリレーションシップバンキング―

書誌事項

タイトル別名
  • The Role of Financial Institutions in the Smart Agriculture in the Netherlands ―Lending Business and Relationship Banking of Rabobank―
  • オランダ ノ スマート ノウギョウ ニ オケル キンユウ キカン ノ ヤクワリ : ラボバンク ノ カシダシ ギョウム ト リレーションシップバンキング

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抄録

近年日本で喧伝されるスマート農業は,オランダの施設園芸を手本としている。オランダの農業は,EU 域内の分業もあって特定品目に特化し,土地・資本を集約した農業経営をしており,そのため高度な情報機器を用いた農業が進んでいる。本稿では,これを支援する民間金融機関の在り方をラボバンクのスマート農業金融に探った。 貸出業務は事業性融資が基本で,担保や保証は二次的なものである。融資担当者の決裁権が大きく,農業専門家と班を組んで審査を行う。リスクが高いときは,リース子会社や制度保証を利用する。貸出金利は高く,借換えられることもある。金融サービスを総合的に提供するだけでなく,高度な知識の提供,サプライチェーンの構築支援をしており,これは借換えを防止し,かつ事業の成功を導く合理的戦略と考えられる。 日本でのスマート農業の発展は,地域事情に合わせて進行するだろうが,オランダ型金融ビジネスを手本にすれば,地域金融機関が地域農業の革新に,より積極的に貢献できるであろう。

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