土曜教室論 ─子どもたちとの学びの共同戦線─

書誌事項

タイトル別名
  • A study about Saturday class: Joint front with children for learning

説明

土曜教室は,全国各地における学習障害児親の会の設立に伴って,1980年代から1990年代にかけて開始された。学生や院生たちが主体となって,子どもたちの学習援助を中心に行った。学びとは,日常生活における様々な面において生ずるものであり,知識と技術の習得は大人を模倣するところから始まる。しかし学校教育においては,大量生産システムを背景として正確性と効率性が強く求められ,知識と技術の乖離を生むことになった。学習障害をはじめとする発達障害圏の子どもたちは学校教育から疎外されがちになり,土曜教室が始まることになったのである。土曜教室では,大学生たちと子どもたちの間の信頼に基づいて学びの共同戦線が組まれ,子どもたちのひとつの居場所となっていった。発達障害という特性のある子どもたちは,感受性の高さを有するがゆえに,社会のひずみをいちはやくとらえる。そのふるまいが障害とされるのであるが,社会はこの子どもたちに対応するだけでなく,そのひずみを解決することも求められている。

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