A Study of Shading in Representational Painting

Bibliographic Information

Other Title
  • 具象絵画における明暗表現に関する一考察

Search this article

Description

具象絵画において明暗の表現は重要な造形要素であり、優れた具象絵画作品は的確な諧調の変化による明暗表現を見ることができる。過去の西洋具象絵画を検証すると、中世から印象主義以前までの絵画は明度対比による明暗表現が、印象派以降では加えて色相対比による明暗表現も登場する。そこで明度対比、色相対比双方による明暗表現について分析し、各々の特徴を明確にすることで、具象絵画制作の一助となることを目的とする。具体的な検証方法として本稿では色彩計を用いて明部と暗部の明度・彩度・色相の値を測定し、それぞれの数値の差から明度対比、色相対比の明暗表現の仕組みを確認する。この色彩計はL*a*b* 色空間で示され、この数値により主観的な人の目による印象だけではなく、客観的な分析が可能となる。 測定の結果、明度対比による明暗表現の明部ではL* 値が100 に近づき、a*b* 値は0 に近づいており、暗部はその逆を示すことが判明した。また規則的変化をもつ立体物の表現では、明部から暗部への変化も規則的な数値の変化が見られており、この変化が規則的である程、緻密なグラデーションに繋がっている。色相対比による明暗表現では明部と暗部のa*b* 値に大きな差があることが判明し、このことは明部と暗部で異なる色相を用いて表現していることを示す結果となった。 以上の結果を踏まえ、具象絵画制作における色彩計画のポイントとして明示することが可能となるため、絵画指導の一助につながるであろう。

Journal

Related Projects

See more

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top