日本人形成に及ぼした大乗仏教経典の人間形成的意義 : 法華経を中心として

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  • ニホンジン ケイセイ ニ オヨボシタ ダイジョウ ブッキョウ キョウテン ノ ニンゲン ケイセイテキ イギ : ホケキョウ オ チュウシン トシテ

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抄録

仏教は本来,自ら悟る自利行と他の人に手を差し伸べる利他行が説かれたものである.そのため,人間形成についての深い叡智に満ちている.筆者は,利他行を実践する菩薩の姿,すなわち菩薩道こそが広い意味で,仏教の教えと人間形成を担う教育とを結ぶ象徴であると考えるものである.大乗淑徳学園の創立者,長谷川良信とその恩師,渡邊海旭は,共に大乗仏教研究の碩学であり,大乗仏教精神の実践者として高い評価を受け,かつ教育実践者でもあった. 筆者は唐澤富太郎(1911–2004)の「聖徳太子と『法華義疏』」の講義を聞いて唐澤に師事し,仏教と教育の研究に取り組んだ.そして髙橋俊乗の論文「世俗教育の教科書として用ひられたる法華経」に出会い,法華経経典による人間形成の意義を明らかにするために『大日本国法華経験記』を分析した.その結果,大乗仏教経典のもつ人間形成的意義は,経典が内包する経力,すなわち功徳力と人間の側における信力・行力が相互に作用し,感応道交することによって,修行者をして誠の人格にまで高める働きを有するところにあることを論述した.

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