The Garden of Adonis に関する一考察 : Adonis 祭祀の遠い記憶とのかかわりについて
書誌事項
- タイトル別名
-
- An Essay on the Garden of Adonis : Survival of Adonis Cult
この論文をさがす
抄録
The Faerie Queene を書くにあたって Spenser が用いた方法は, C. S. Lewis の表現を借りるならば, 「アレゴリーの核を各々の巻に置ぎ, まわりをタイプのロマンスと呼ばれるもので囲み, 純粋に架空の逸話をちりばめる^1」というものである。第三巻に於けるアレゴリーの核は, Canto VIのGarden of Adonis と名付けられた豊饒の園であるが, この Garden of Adonis という名称は, Spenser の発案ではない。すでに紀元前700年に最古の記録を持つという Adonis 信仰の祭式の一部として存在したものであった。自然祭祀の一つである Adonis 祭祀に於て「はかない一時の美わしさと, すみやかな荒廃の象徴^2」とされていたGarden of Adonis と同じ名称を持つ Spenser の Garden of Adonis は, 生の豊饒が印象的な園であるが, これは, Adonis 祭祀の遠い記憶とどのような関係にあるものなのか。この園の描写にあらわれている豊饒, 輪廻, 再生の観念, 無常の観念と, Adonis 祭祀の記憶とのかかわりあいをさぐってみたい。
7
KJ00004203435
収録刊行物
-
- 中京大学教養論叢
-
中京大学教養論叢 18 (4), 725-740-, 1978-03-20
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1050282814164582144
-
- NII書誌ID
- AN00144529
-
- ISSN
- 02867982
-
- 本文言語コード
- ja
-
- 資料種別
- departmental bulletin paper
-
- データソース種別
-
- IRDB