反跳式眼圧計を用いた角膜周辺部における眼圧測定

書誌事項

タイトル別名
  • ハンチョウシキ ガンアツケイ オ モチイタ カクマク シュウヘンブ ニ オケル ガンアツ ソクテイ
  • Measurements of Intraocular Pressure at Peripheral Corneal Regions by a Rebound Tonometer

この論文をさがす

説明

【目的】 健常眼の角膜中心部と周辺部において, 反跳式眼圧計Icare^(R)を用いた眼圧測定 (IC) を行い, 角膜のどの部位でのICが, ゴールドマン圧平式眼圧計 (GAT) を用いて角膜中心部で測定された眼圧 (GT) に最も近いか, また, GTを予測するために最も適したモデルを作成するためには, どのようなパラメータを用いるのがよいかを検討した. 【方法】 健常102例102眼 (男/女 =52/50) を対象とした. Icare^(R)を用いた眼圧測定を角膜中心部, 上側, 下側, 耳側, 鼻側で行い, 各々眼圧値を算出し (各々ICC, ICS, ICI, ICT, ICN), 続いてGTを算出した. ICC, ICS, ICI, ICT, ICNの比較には, 固定因子をIC, 変量因子を症例および左右眼 (右/左 =51/51) として, 混合モデルを作成して行った. GTとICの較差について, Bland-Altman法を用いて解析し, limits of agreement を算出した. 目的変数をGT, 説明変数を年齢, 左右眼, 等価球面度数, 角膜曲率半径, 眼軸長, 中心角膜厚, GT, ICC, ICS, ICI, ICT, ICNとし, ステップワイズ法による重回帰分析を行った. 【結果】 Icare^(R)による眼圧測定 (IC) において, ICSとICNはICCに比して有意に高かった (各々P =0.000, P =0.003) が, その他は全ての部位間で差がなかった. Bland-Altman法を用いたGTとICの較差では, ICは全ての角膜部位でGATより高かったが, biasが最も低かった部位はICCであり, 次がICTであった. ステップワイズ法を用いた重回帰分析において, GT =0.445^*ICC+0.198^*ICN+3.022 (決定係数 =0.636) の予測式が算出された. 【結論】 ICCはGTに最も近い値であったが, ICNを予測モデルに加えると, GTをよりよく説明できた. 眼球剛性の異常のために, ICCが算出されない, あるいは信頼性が低いことが明らかな場合には, GTを予測するためにはICTを用いることが有用であると考えた.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ