耐糖能異常における桑葉の効果 : 基礎と臨床からのアプローチ

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  • タイトウノウ イジョウ ニ オケル ソウヨウ ノ コウカ キソ ト リンショウ カラノ アプローチ
  • Basic and Clinical Study-Effects and Toxicity Studies of the Mulberry Leaf Powder (Morus alba Leaves) in Volunteers with Hyperglycemia and Normoglycemia

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Abstract

【目的】桑葉にはα-グルコシダーゼ阻害活性をもつ1-デオキシノジリマイシンが含まれている.桑葉パウダーのデオキシノジリマイシン含有量と糖質分解能を検討した.更に,耐糖能異常者と正常血糖値成人における桑葉粉末の有効性と安全性について検討した.【方法と対象】(1)桑葉パウダーの基礎実験として,ラット小腸アセトンパウダーを用いて二糖類水解酵素阻害活性を茶葉と比較検討し,蒸発光散乱検出高速液体クロマトグラフィー法にて桑葉パウダー中のデオキシノジリマイシン含有量を検討した.(2)臨床試験の対象は,正常血糖値成人5名(N群)と耐糖能異常者8名(H群)のボランティア計13名(男/女=7/6.平均55歳±5歳)である.1回スプーンー杯(約1.8g)の桑葉パウダーを水・白湯に溶かし,食前に1日3回計桑葉5.4g/日を3ヵ月間飲用し,空腹時血糖・HbA1c・血液生化学・尿検査を検討した.【結果】(1)桑葉のマルターゼ阻害活性は茶葉と同等であったが,スクラーゼ阻害活性は茶葉の約10倍の強い阻害作用が見られた.桑葉パウダー中のデオキシノジリマイシン含有量は128±12μg/100mg Leaf (0.13±0.01%)であった.(2)全例で,診察所見・自覚所見の有害事象は見られなかった.N+H群では,摂取開始時と比べ3ヵ月後に空腹時血糖(127±11mg/dlから105±5mg/dl)・HbA1c (5.7±0.3%から5.4±0.2%)尿酸(5.2±0.5mg/dlから4.9±0.4mg/dl)・総コレステロール(203±31mg/dlから189±6mg/dl)・中性脂肪(150±62mg/dlから103±13mg/dl)の有意な低下(全てp<0.05)が見られた.N群とH群に分けて検討すると,N群では摂取開始時と比べ3ヵ月後も空腹時血糖(86±2mg/dlから91±4mg/dl)・HbA1c (4.7±0.1%から4.7±0.1%)・血液生化学の有意な変化は見られなかった.H群では,摂取1ヵ月後から空腹時血糖の低下傾向(153±9mg/dlから134±11mg/dl,NS)が見られ,開始時と比較して3ヵ月後には空腹時血糖(106±6mg/dl,p<0.05)とHbA1c (6.3±0.3%から5.9±0.2%,p<0.05)の有意な低下が見られた.【総括】桑葉パウダーにはデオキシノジリマイシンが0.13%含まれ,茶葉よりもスクラーゼ阻害活性が強い.桑葉パウダー摂取後,正常血糖値者では血糖値に変化は見られなかったが,耐糖能異常者では緩やかに血糖値を降下させ,安全性が高いことが示唆された.

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