上腸間膜動脈解離性狭窄に対し血管内ステント留置後に手術を施行した下部胆管癌の1例

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タイトル別名
  • ショウレイ ホウコク ジョウ チョウ カンマク ドウミャク カイリセイ キョウサク ニ タイシ ケッカン ナイ ステント リュウチ ゴ ニ シュジュツ オ シコウ シタ カブ タンカンガン ノ 1レイ
  • A Case Report of Pancreaticoduodenectomy after Endovascular Stent Placement for the Distal Bile Duct Cancer Complicated with Stenosis of the Superior Mesenteric Artery

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抄録

上腸間膜動脈(SMA)に狭窄を有する下部胆管癌に対し, 血管内にステントを留置し血流を確保した後に, 膵頭十二指腸切除術を施行した症例を経験したので報告する. 症例は59歳, 男性. 近医で下部胆管癌の診断で手術予定であったが, CTでSMA根部付近に動脈解離に伴う本幹の狭窄を指摘され, 当院転院となった. 腹部angina様症状もあることよりSMAの血流確保が必須と判断し, 術前にSMAに血管内ステントを留置し, 約5週間の待機期間をおいた後に幽門輪温存膵頭十二指腸切除を施行した. 術後経過は良好で腸管虚血などは認めず安全に施行できる手技と考えられた. 手術待機期間中及び術後約6ヶ月間化学療法を施行したが, 多発肝転移を来し化学療法施行中である. 血管内ステントの留置や動脈吻合などの血流確保の手段や血管内ステントの留置時の手術待機期間の長さなど臨床的示唆に富む症例と考えられた.

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