新潟大学医歯学総合病院におけるロボット支援前立腺全摘除術 : 初期87例の経験とラーニングカーブ短縮を目指した取り組み

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タイトル別名
  • ニイガタ ダイガクイシガク ソウゴウ ビョウイン ニ オケル ロボット シエン ゼンリツセン ゼンテキジョジュツ : ショキ 87レイ ノ ケイケン ト ラーニングカーブ タンシュク オ メザシタ トリクミ
  • Robot-assisted Radical Prostatectomy : a Single Center Experience of Initial 87 Cases and Improvements in Learning Curve

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抄録

【目的】ロボット支援前立腺全摘除術(RARP)の初期治療経験に関して検討を行った.【対象と方法】2014年2月より2016年5月までに,新潟大学医歯学総合病院にてRARPを行った87例を対象とした.第30例目以降の症例においては,手術ステップ別に目標時間を設定し,状況に応じてプロクターがデュアルコンソールを用いて技術指導を行った.手術成績に関しては,手術時期別に3群に分けて検討した.【結果】開腹手術や腹腔鏡手術への移行例は認めなかった.手術時期に比例して,全手術時間およびコンソール時間は有意に短縮し,術中出血量も有意に減少した.周術期合併症の発生率は,術中で0%,術後30日以内で11.5%であった.切除断端陽性率はpT2で16.8%,pT3で57.7%であった.術後の尿禁制率(尿パッド0-1枚/日)は術後1月,3月,6月,12月でそれぞれ43.7%,72.4%,87.3%,94.4%であった.【結論】「手術スキルの迅速な習得」を図るわれわれの試みは着実に成果を示しており,かつ安全性に関しても諸家の報告と比べ遜色なく実施できている.今後の課題は,特にpT2における断端陽性率を減少させるための工夫, および疾患コントロールに関する長期追跡による予後評価である.

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