難民問題とドイツキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)における党首交代

説明

2015年秋に始まったいわゆる難民危機に際して、メルケル首相は難民に対して事実上国境を開放する政策をとり、その結果ドイツには大量の難民が流入する結果となった。CDU/CSU内では、すでにそれまでも財政拡張的な社会保障政策、規制強化的な労働市場政策、従来の家族政策や原子力政策の転換等によって中道左派有権者へと支持基盤を拡大し、将来的に緑の党との連立を可能にするというメルケルの「党近代化」路線に対して、経済自由主義派や価値保守派からの批判が高まっていた。そのような状況のなかで勃発した難民危機は、CDU内及びCDU とCSU の間に激しい内部対立と混乱をもたらし、2017年連邦議会選挙を中心としたその後の一連の選挙におけるCDU/CSU の敗北へとつながった。その結果、CDU とCSU の党首であるメルケルとゼーホーファーはともに党首を辞任せざるを得なくなったが、このことは必ずしもメルケルの路線が否定されたことを意味せず、社会の大きな変化に起因する支持基盤の縮小に対して、CDU/CSU をどのようにして「国民政党」として維持していくのかという課題は依然として解決されていない。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050282814297362048
  • NII論文ID
    120006778733
  • ISSN
    24341827
  • Web Site
    http://hdl.handle.net/10098/10825
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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