比較的大きな球状粒子を充填した下面加熱・上面冷却を受ける水平粒子層の対流熱伝達

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  • ヒカクテキ オオキナ キュウジョウ リュウシ オ ジュウテンシタ カメン カネ
  • Convection Heat Transfer of Horizontal-Spherical Particle Layer Heated From Below and Cooled From Above

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説明

Heat transfer and pressure drop measurements were performed in a forced convection of air flow through a rectangular duct packed with spherical particles, which had upper cooled and lower heated surfaces. Four kinds of particles with different diameters and thermal conductivities were used as the packing materials. The effects of solid boundaries on fluid motion and heat transfer were discussed. The heat transfer rate from the surfaces was promoted by a thermal dispersion effect caused by a fluid mixing motion. However, it was decreased in the vicinity of the near-wall region due to low effective thermal conductivity and weak fluid mixing motion. It was clarified that the ratio of the thermal boundary layer thickness developed from the heat transfer surfacec to the size of the near-wall region was important in order to reduce the heat transfer data. Nondimensional heat transfer correlation equations were derived, using parameters expressing the average characteristics of the porous bed packed with spherical particles.

多孔質層内の対流熱移動現象は、土木・農業・都市工学等の幅広い分野で数多く観察されるところである。例えば、様々な粒径を有する土壌・岩石よりなる地層中を流動する地下水の対流熱伝達は、地温分布に影響を与える因子の一つであり、さらに、比較的寸法の大きな果物などの農作物の強制通風冷却保存なども典型的な不均質多孔質層の対流熱伝達問題である。また、一般工業においても、断熱材等の多孔質で構成されるものが多数利用されており、多孔質内の対流熱伝達の詳細な解明が必要となっている。多孔質層内の対流熱伝達の解析に関しては、最も基礎的なモデルであるダルシー則の他に、条件によっては速度の2乗に比例する流動抵抗(Porous inertia effect)、固体境界面の粘性効果(Boundary viscous effect)および対流慣性効果(Convective inertia effect)の非ダルシー効果を考慮する必要があると言われており、理論的取扱いの容易な均質多孔質層に関しては、これらの非ダルシー効果の全てを同時に考慮した研究もなされている。一方、より基本的な多孔質モデルである球状粒子充墳層に関しては、固体壁近傍において粒子の存在が制約されるため、壁近傍に高空隙率の領域が存在し、均質な多孔質として取り扱えないと言われている。この壁近傍の不均一領域が対流熱伝達に与える影響に関しては、壁近傍の空隙率を壁からの距離の関数として表現し、これを用いて基礎方程式の解を得る方法や、界面熱抵抗の概念を導入し、界面熱抵抗の式と均一空隙率を仮定した粒子層内部に対する式と連立させる方法などが提案されている。しかし、これらの手法はいずれも壁近傍領域に対して補正を施しているにすぎず、壁近傍の流動・伝熱挙動に対する詳細な検討は未だ行われていない現状にある。本研究は、このような不均質な多孔質のモデル系に着目し、流路寸法に対して比較的直径の大きな粒子を充墳した水平球状粒子層の対流熱伝達に及ぼす不均質性の効果を実験的に検討するものである。なお、球状粒子層水平熱界面は、下面加熱そして上面冷却条件とし、水平粒子層の一方より任意温度の強制対流を与えた場合の粒子層および両水平境界からの対流熱伝達が本研究の対象となる。特に、充墳粒子の材質・直径、空気流速・温度、加熱・冷却面温度を種々変化させた場合の強制対流下の粒子層の伝熱挙動について検討するものである。

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