細網内皮症ウイルスの接種濃度差に対する日本ウズラの肝臓、脾臓重量変化並びに抗体産生

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タイトル別名
  • サイモウ ナイヒショウ ウイルス ノ セッシュ ノウドサ ニ タイスル ニホン
  • The Changes in Liver and Spleen Weights and Antibody Production for serially diluted Reticuloendotheliosis Virus in Japanese Quail

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抄録

Reticuloendotheliosis virus(REV-T)に対する抗病性育種の可能性を検討するための基礎的資料を得る目的で,ニワトリの育種学研究上のモデル動物として有用な日本ウズラを用いて感染実験を行ない,REV感染の成立とその病原性について検討を加えるとともに,REV感染の標的器官である肝臓,脾臓重量の変化並びにREV接種濃度差に対する肝臓,脾臓重塁の変化及び抗体検出率の変化について検討を加えた. 感染実験に用いたウイルスはREV-T株の25%鶏肝乳剤で,0.1mlを腹腔内に接種した. ウイルス乳剤は10-2,10-3,10-4,10-5の4段階の希釈濃度を用いた. 得られた結果は以下のものである. 1)日本ウズラにおいてもREV感染の成立することが確認された. 日本ウズラにおけるREV-T株の病原性は,短い潜伏期と急性の経過,高い致死性を有しており,肉眼的病変は主に肝臓,脾臓の腫大と,これらの臓器における黄白色結節状或は彌漫性の腫瘍性病巣であった. 特に脾臓の腫大が著しい傾向が認められた. 2)RBV接種後,週令に伴い著しい肝臓,脾臓の重量増加がみられたが,重量増加の程度は接種濃度により違いがみられ,高濃度接種区で腫大,重量増加が著明であった. 3)抗体検出率はREVの接種濃度によって異なり,高濃度接種区では低濃度接種区に比べ抗体検出率が低い傾向にあり,抗体産生機構の障害が推察された。

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