特別養護老人ホームにおける給食の給与栄養量と食品群別提供量

書誌事項

タイトル別名
  • Served Amount of Each Food Group and Provided Nutritional Value of Meals in Special Nursing Homes for the Elderly
  • トクベツ ヨウゴ ロウジンホーム ニ オケル キュウショク ノ キュウヨ エイヨウリョウ ト ショクヒングン ベツ テイキョウリョウ

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抄録

目的:特別養護老人ホームの入所者への給食の食品群別提供量を明らかにすることを目的とした。併せて,給食のエネルギー量・各種栄養素量(以下,給与栄養量と略記)についての検討もおこなった。 方法:神戸市内の特別養護老人ホーム計3施設の管理栄養士から,1年間分の給食(朝食,昼食,間食,夕食)献立のうち,普通食の献立表を入手した。これらより1人1日当たりの給与栄養量及び食品群別提供量を算定した。そして,①給与栄養量と日本人の食事摂取基準2015年版に示された高齢者(70歳以上)の食事摂取基準の値とを比較した。②給与栄養量と平成27年国民健康・栄養調査報告による70歳以上の者の摂取栄養量とを比較した。③食品群別提供量と国民健康・栄養調査報告による70歳以上の者の食品群別摂取量とを比較した。 結果:給与栄養量のうち,食物繊維,ビタミンA,ビタミンB1,ビタミンB2,食塩相当量,カルシウム,及びマグネシウムの各栄養素量は,食事摂取基準と差があった。給与栄養量と摂取栄養量とを比較したところ,意味のある差を認めたのは,エネルギーとナトリウムに加え,脂質,炭水化物,食物繊維,ビタミンD,食塩相当量,及び銅であった。食品群別提供量と食品群別摂取量とを比較したところ,果実類,砂糖・甘味料類,豆類,及び油脂類において意味のある差を認めた。 結論:特別養護老人ホームで提供している給食の給与栄養量は日本人の食事摂取基準や国民健康・栄養調査報告での摂取栄養量と比較してどのような栄養素について差があったのか,また特別養護老人ホームでの食品群別提供量は国民健康・栄養調査報告での食品群別摂取量と比較してどのような食品群について差があったのかについて明らかにした。今回の給食の給与栄養量及び食品群別提供量の成績は,特別養護老人ホームの1年間に亘る給食提供の実態を明らかにする資料として重要である。

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