成人期における知的障害者の「親離れ子離れ」における変化とその要因 ―「性と生」を学ぶ軽度知的障害のあるひとによる劇団活動を通して―

書誌事項

タイトル別名
  • The Changes and their Factors in “Parent-Child Separation”of the People with Intellectual Disability in their Adulthood :Through the Activities of the Drama Groups consisting of People with Light Intellectual Disability who are Learning about “Sexuality”
  • セイジンキ ニ オケル チテキ ショウガイシャ ノ 「オヤ バナレ コ バナレ 」 ニ オケル ヘンカ ト ソノ ヨウイン : 「 セイ トセイ 」 オ マナブ ケイド チテキ ショウガイ ノ アル ヒト ニ ヨル ゲキダン カツドウ オ トオシテ

この論文をさがす

説明

知的障害者の「親離れ子離れ」は,「自立」の問題を含め社会的背景の影響を受けながら近代以降 に問題となり,親からの「自立」に課題を抱える社会的な親子間の問題である.研究の目的は,劇 団活動を通じて「性と生」について学ぶ成人期の軽度知的障害者と障害のない親の「親離れ子離 れ」における変化とその要因を明らかにすることである.研究対象は単に障害のある人ではなく, 演劇活動を通して「性と生」を学んでいる人である.エピソード記述により,「性と生」について 学ぶ知的障害のある人とない親,そしてその支援者からのエピソードを積み重ね,「親離れ子離 れ」を促進するキーワードを抽出した.調査の結果,各要因は「恋愛」「仲間」「母」「自分」の 4 つのキーワードと,それらを支える要因 に分類できた.「親離れ子離れ」には,人を好きになれる力,すなわち「恋愛」できることが重要で あり,「恋愛」学習の重要性が明らかにされた.また,「親離れ子離れ」には,「性と生」の学びを 受けている「仲間」の存在が重要であり,仲間づくりの重要性が明らかにされた.以上のことから「性と生」の学びは「親離れ子離れ」を促進する要因であり,「性と生」を学ぶ「仲 間」は仲間集団を形成しながら,横関係だけではなく「教える教えられる」という信頼できる縦関係 を含めた中で,演劇活動や学習を通して「恋愛」する力をつけながら少しずつ「親離れ子離れ」する ことが明らかになった.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ