船生演習林におけるヒノキ人工林の発達段階と鳥類群集の多様性の関係

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タイトル別名
  • Relationship between bird species diversity and forest development stages in a hinoki cypress plantation in Utsunomiya University Forests at Funyu, Japan
  • センセイ エンシュウリン ニ オケル ヒノキ ジンコウリン ノ ハッタツ ダンカイ ト チョウルイ グンシュウ ノ タヨウセイ ノ カンケイ

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抄録

本研究では、ヒノキ人工林の林分の発達段階と鳥類群集の多様性との関係を明らかにすることを目的とした。宇都宮大学船生演習林のヒノキ人工林11林分を発達段階によって幼齢林、若齢林、壮齢林、老齢林の4つに区分し、各林分において、鳥類の繁殖期(5月中旬~6月下旬)にスポットセンサス法を用いて鳥類群集を調べた。また、環境条件として、各林分のヒノキ樹高、樹冠長、立木密度、開空度を調査した。調査の結果、14種136羽の鳥類が確認された。老齢林では他の発達段階に比べて樹高と樹冠長が大きく、鳥類の多様性が高かった。幼齢林では樹高が低く、開空度が高いものの、鳥類の多様性は低かった。鳥類の種組成を類型化した結果、ヒノキ人工林の鳥類群集は大きく2つに分かれ、一つは主として壮齢林と老齢林で構成され、もう一つは主として幼齢林で構成されていた。このように二分された要因として、壮齢林以降は、亜高木層以上の階層が発達し、これらの階層を利用する森林性鳥類などが出現したことが考えられた。以上から、ヒノキ人工林においては、林分の発達段階の進行による樹冠長の増加や立木密度の低下に伴い亜高木層以上の階層が発達することで、鳥類群集が変化するとともに多様性が高まると考えられた。

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