消尽と救済としての物語⑶

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タイトル別名
  • L’épuisé and narration as salvation ⑶
  • ショウジン ト キュウサイ ト シテ ノ モノガタリ(3)

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抄録

本稿は、「物語は消尽したものを救済できるか」を問う研究の第3部である。ベンヤミンが描いた都市テクストを分析対象とし、そのなかでも特に、「ナポリ」を重視している。この街の多孔性について語るベンヤミンの言葉は物語であるとともに証言でもあることが解明される。その過程で、多孔質なナポリそのものがベンヤミンの言う敷居であることが明らかとなり、遠ざかりつつもその敷居に留まり、「歴史の天使」の眼差しをもって街を凝視することでのみ、物語を語りうることが示される。また、同時に、デリダの署名を巡る議論を手がかりにして、物語における署名についても考究されている。最後に、ブランショの「忘却」と「中性的な語りの声」が次の研究テーマになることが予告される。

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