足背・足底に及ぶ広範囲足部皮膚剥脱創の1例

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説明

足背・足底に及ぶ広範囲足部皮膚剥脱創の1症例を経験した.症例は60歳女性,交差点を横断中バスの後輪に左足を巻き込まれて受傷した.剥脱された皮膚の血行再建は組織の挫滅が強く不可能であり,皮膚軟部組織再建は受傷9日目に二次的に行った.右背部より肩甲下動静脈を血管茎として傍肩甲皮弁,広背筋弁を採取し,前者を足底に,後者を足背に遊離移植した.皮弁は問題なく生着し,術後5ヵ月の現在杖なし独歩可能となった.足部皮膚剥脱創は,受傷時に可能な限り血管吻合による皮膚血行再建術を行うのが望ましいが手技的に困難である.二次的再建術は踵部,足底の再建範囲が比較的小さい場合は,内側足底皮弁が最適であるが,本症例のように広範囲である場合,傍肩甲皮弁+広背筋弁による被覆も選択枝の一つとなり得る.

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