重症下腿開放性骨折における深部感染症

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以前よりGustiloⅢB 以上の重度下腿開放骨折において,早期(72時間以内)の軟部組織再建により感染率が低下することが認識されてきている。2000年4月から2008年3月までの間に16例のGustiloⅢB 重度下腿開放骨折(男性13例,女性3例,平均年齢41.2歳)に対して,早期軟部組織再建と骨再建を施行した。72時間以内に治療を完了したのが9例で,72時間以上を越えて治療完了したのが7例(平均12.5日)であった。16例のうち深部感染を併発したのは4例25%で全例MRSA 感染であった。軟部組織再建時期による差異は認められなかったが,施行病院での差異を認めた(A 病院10例中1例10%,B 病院6例中3例50%)。初期の広範囲デブリドマンと早期皮弁形成術の有効性は認められているものの,同一術者であっても施行病院にて感染率に大きな差があったことは,この治療が複雑であり多くの要因から影響を受けることを示唆する。

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