夏ホウレンソウ栽培における外張り遮光資材の自動開閉システムの開発

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タイトル別名
  • Development of automatically shading system for spinach in summer
  • ナツ ホウレンソウ サイバイ ニ オケル ソトバリ シャコウ シザイ ノ ジドウ カイヘイ システム ノ カイハツ

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抄録

温暖化の進行に伴い、これまで夏季冷涼とされてきた地域においても、夏ホウレンソウの収量・品質が不安定となっている。生産現場では遮光資材の被覆による対応が試みられているが、人力による遮光資材の被覆・除去は労力を要している。そこで、天候に応じた遮光資材の自動開閉システムを考案し、その有効性について検討した。その結果、遮光資材の外張り被覆により、ハウス内の気温、地温を抑制することはできるが、遮光資材の被覆期間が長くなるほどホウレンソウの草丈が伸び1株重が軽くなり徒長傾向とることが明らかとなった。また、株間を広くすることで1株重は重くなるものの、栽植株数が少なくなるため、全期間遮光した場合の減収はカバーできないと考えられた。生育ステージに応じて遮光資材を除去するため、市販のハウスサイドビニール巻き上げ機材を用い、温度センサーと黒球を組み合わせた簡易な制御システムを検討したところ日射に応じた遮光資材の開閉管理が可能であった。黒球内温度38℃で制御した場合、自動遮光に用いる遮光資材の遮光率は40%程度が適していた。10a当たりの導入経費は約70万円で、減価償却費は12.5万円と試算された。遮光による増収により30万円~40万円の増益が見込まれ、自動遮光を導入する経営的なメリットは大きいと考えられた。

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