RL78マイコン向け命令スケジューラによるパイプラインストールの削減

千葉, 雄司, 大石, 圭一, 永井, 佑樹, 中川, 満

RL78マイコンのようなアキュムレータマシンでは，多くの命令において，オペランドとして使えるレジスタがアキュムレータのみとなっており，その結果，命令スケジューリングの際に，命令を単独で移動しようとしても，アキュムレータに関する依存に移動を阻まれることが多い．この問題を回避して命令をスケジュールする方法として，移動の対象を，単独の命令ではなく，命令列，具体的には，アキュムレータに値を代入する命令から，代入した値を最後に利用する命令までの命令列にする方法を提案する．提案した方法をRL78マイコン向けCコンパイラ製品CC-RLの命令スケジューラに適用し，その効果を，CoreMarkやFFT，SHA256などのベンチマークによって評価したところ，最大で2.12%実行を高速化できることが分かった．

An accumulator machine such as the RL78 microcontroller impose its instructions to use its accumulator register as one of the operands. This makes the almost all instructions have dependencies to the accumulator and the dependencies prevent the instruction scheduler to move a single instruction elsewhere. To cope with this problem, we propose an instruction scheduling technique to schedule not a single instruction but an instruction sequence which starts from the definition of a value in the accumulator and ends with the last use of the value. We implemented the proposed method in CC-RL, a commercial C compiler for the RL78 microcontroller and evaluated the effect using benchmarks such as CoreMark, FFT and SHA256 to find it improves the performance by 2.12% at most.

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