「神の御国」理念とベルン期のヘーゲル(下の一)

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  • 「 カミ ノ オクニ 」 リネン ト ベルンキ ノ ヘーゲル(シタ ノ 1)

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ヘーゲルのベルン期に,ヘルダーリンの呼び掛けで,ヘーゲル,シェリングのフランス革命の影響下での哲学的な共同が始まる.シェリングは,フランス革命に積極的に反応するフィヒテの下で,宗教研究から哲学研究に踏み出すが,その「自我」の原理化を構想したとき,既にフィヒテははるかに先を歩いていた。そのフィヒテは,1794 年に,ゲーテの支持を得てイェーナ大学に職を得てスイスを去る際に,「人間の尊厳」を学習仲間に残した.これは,小論であったが,フランス革命の主題が,「人間の尊厳」をようやく始まろうとする世界史にとっての人類史的な課題を提起していることを概括的に提起するものであった.折しもフランスと国境を接するライン左岸のドイツ諸邦には,フランス革命の影響を受けたドイツ・ジャコバン派の諸グループの動きが活発化していく.この間ヘーゲルは,ベルンにあって,チュービンゲンの学生時代以来の「神学」にかかわる哲学的な両論作を書き継ぎながら,フィヒテ,シェリングがそれぞれの形で進化させている「ドイツ哲学革命」をさらに徹底させる地道な努力を重ねていく.

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