1930年代中国におけるモダンガールの身体表象 --女性誌『玲瓏』を中心に--

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  • 呉, 桐
    教育文化学コース博士後期課程2回生

書誌事項

タイトル別名
  • Chinese Modern Girls' Body in 1930s: Focus on the Case of LinLoon
  • 1930ネンダイ チュウゴク ニ オケル モダンガール ノ シンタイ ヒョウショウ : ジョセイシ 『 レイロウ 』 オ チュウシン ニ

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説明

1920-1930年代に, 世界規模で生じていた「モダンガール」現象は, 近代社会をジェンダーの視点から考察する際の重要な参照点であった.本稿は, 1930年代の半植民地中国を事例に, 女性自身の視点からモダンガール・イメージの形成と変容を分析することで, 当時の都市女性をとりまくコロニアルな環境と彼女たちの対応を明らかにした.女性誌『玲瓏』のモダンガール・イメージは, 西洋人女性像と日本人女性像の双方が関係するなかで形成された.1930年代半ば頃, 中国の都市女性はスポーツを自分たち自身の解放という文脈に置き換えることでナショナリズムの要請と距離を取りながら, 西洋人モダンガールにも独自の解釈を付与することでコロニアルな眼差しにとらわれることを回避した.一方, 戦争直前に登場した日本人モダンガールについては, それを良妻賢母と結びつけて語ることで時局に対応しようとした.このように, 近代中国の女性主体は多方向なナショナリズムやコロニアリズムとの駆け引きのなかでモダンを追求し, 体現していたのである.

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