書誌事項
- タイトル別名
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- Effects of pain, warmth, and cold on rat's memory and learning ability via tongue stimulation
- シタ エ ノ ツウカク,オン ・ レイカク シゲキ ガ ラット ノ キオクリョク ト ガクシュウ ノウリョク ニ オヨボス エイキョウ
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説明
舌の味覚受容については多くの研究がされているが,舌のもう一つの重要な役割である体性 感覚についての研究は少ない。 近年,我々は舌への触・圧覚刺激がラットの海馬を活性化させ, 成長因子の増加や細胞新生を促進させることで,記憶力の増強に影響した可能性を報告した。 しかし,舌への痛覚,温・冷覚のみの刺激と記憶力と学習能力に関する詳細な報告は少なく, 未だ明らかではない。そこで,本研究では舌への痛覚,温・冷覚刺激がラットの記憶と学習能 力に及ぼす影響を行動学的手法,免疫学的手法を用いて検討をした。その結果,学習・記憶機 能評価である8方向放射状迷路試験とStep-down 試験では,痛覚刺激群でコントロール群に対 し記憶力の増強が認められたが,温・冷覚刺激群では記憶力の若干の増減がみられたものの有 意差は認められなかった。海馬でのc-Fos,BrdU 陽性細胞の検討でも,痛覚刺激群でコント ロール群に対し,有意な増加が認められたが,温・冷覚刺激群では若干の増加がみられたもの の有意差はなかった。これらの結果から,舌への痛覚刺激は,ラットの海馬を活性化させ,成 長因子の増加や細胞新生を促進させることで,記憶力の増強に影響した可能性が示唆された。 しかし,温・冷覚刺激に関して,今回の研究では有意差は見られず,今後刺激の強度について 検証していく必要があると考えられる。
収録刊行物
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- 熊本保健科学大学研究誌
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熊本保健科学大学研究誌 (17), 49-58, 2020-03
熊本保健科学大学
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050285299735776000
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- NII論文ID
- 120006841027
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- NII書誌ID
- AA12816509
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- ISSN
- 24335002
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- NDL書誌ID
- 030323639
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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