原爆乙女プロジェクト1955-1956 : アメリカ・ユダヤ人による関わりを中心に

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タイトル別名
  • ゲンバク オトメ プロジェクト 1955 - 1956 : アメリカ ・ ユダヤ ジン ニヨル カカワリ オ チュウシン ニ
  • Hiroshima Maidens Project 1955-1956 : Focusing on American Jewish Involvement

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説明

20 世紀、アメリカ・ユダヤ人は公民権運動、女性解放運動、反ベトナム戦争運動など、アメリカにおける様々な社会運動に積極的に参加し、重要な役割を果たしてきたことが知られている。本稿は、先行研究では十分に触れられてこなかったアメリカ・ユダヤ人の広島および長崎の原爆投下に対する反応、および戦後復興への関わりを考察する。アメリカ・ユダヤ人は戦後間もなくして、個人としてのみならず組織化されたグループとして広島の復興に携わった。本稿は、その一例として1955 年から1956 年の間に、25人の若い日本人女性を対象にアメリカで行われた、原爆乙女プロジェクト(Hiroshima Maidens Project)に着目する。この慈善計画が後に与えた影響は決して小さくなく、戦後において市民レベルでのアメリカと日本の和解を促したのみならず、それまで被爆者に対し十分な理解と寛容性を持ち合わせていなかった日本人に対しても、被爆者の治療の重要性を訴えることで、1957 年に制定された原爆医療法(被爆者援護法の前身)にも少なからず影響を与えたと考えることができる。本稿は、原爆乙女プロジェクトにおけるアメリカ・ユダヤ人の役割を明らかにするとともに、彼らが関わった経緯や理由を考察し、アメリカ・ユダヤ人による本プロジェクトへの参加は、戦後のアメリカ・ユダヤ社会においてどのような意味合いがあったのか、また何を示唆しているのかを検討する。

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