コミュニケーション手段を奪われた患者の不安への看護援助
Abstract
【はじめに】コミュニケーションは患者との信頼関係構築に重要である.人工呼吸器装着や気管 切開は人のコミュニケーション手段を奪い患者の大きなストレスとなる.スピーチカニューレを使用し, 発声が可能となったことを契機に,病状の回復に繋がった事例を報告する.【看護の実際】1. 事例: 膿胸で入院加療中呼吸状態悪化し人工呼吸ならびに気管切開を行った患者.視力障害あり.2. 看護の 実際:1 )人工呼吸器装着時期の看護:筆談で思いを傾聴し要望の多いA氏が納得されるまで寄り添 った.ナースコールにはすぐに対応しいつも傍に居るという安心感を持って貰えるように意識した. 2 )スピーチカニューレ使用開始時期:長期使用は酸素化不安定となり日中は適宜人工鼻に変更し,夜 間は人工鼻で対応していた.ある日,A 氏の思いに沿ってスピーチカニューレ装着のまま入眠すること とした.A 氏の夜間の困りごとがわかり,A 氏が気がかりになったことに配慮したケアを行い,安心 して入眠することができた.その後,「口から食べたい」と言う意欲や,リハビリの意欲が高まるなど, 夜間のスピーチカニューレの装着がA 氏の回復につながる契機となっていた.【考察】A氏にとって発 声できない閉塞感が呼吸困難感を助長させていた.A氏の思いに共感した試みが,不安やストレス, 苦痛の緩和につながった.
Journal
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- Medical Journal of Japanese Red Cross Kochi Hospital
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Medical Journal of Japanese Red Cross Kochi Hospital 24 (1), 83-86, 2020-03
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1050285299827278336
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- NII Article ID
- 120006869854
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- ISSN
- 09197427
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- Text Lang
- ja
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- Article Type
- journal article
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- Data Source
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- IRDB
- CiNii Articles