On the Transverse Vibration of a Square Plate with Four Clamped Edges.
書誌事項
- タイトル別名
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- 正方形平板の横振動に就いて
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説明
四邊噛み止められた矩形平板又は正方形平板の横振動の問題は,彈性動力學に於ける固有値問題のうちの興味あるものゝ一つである.此問題に對しては,既に航空研究所報告第70號に於いて,妹澤博士が近似的取扱ひをし,正方形平板の基本横振動に對して,[numerical formula]といふ結果を得てゐる.こゝに,pは2π秒間の振動數,ρは平板を構成する物質の密度,hは平板の厚さ,aは正方形の一邊の長さである.又.Dは撓み剛性率で,ヤング彈性率E,ポアソン此σ及びhによつて[numerical formula]の様に表はされる.ところが,妹澤博士の近似的解法では,得られた近似値が果して眞實のものより大きいか小さいか等といふ事を決定する理論的根據が全く無いために,その近似値がどの程度まで眞に近いかを判別することが出來ないといふ弱點を持つてゐる.從つて,これ等の黠ではレーレーの原理による近似的解法に劣るものと考へられる.今,試みに,境界條件は満足するが,横振動の微分方程式は満足しない様な簡單な函數を平板の横變位に假定して,レーレーの原理を應用すると,本論文に述べてゐる様に,正方形平板の基本振動に對して,[numerical formula]なる結果が容易に得られる.ところが,よく知れてゐる様に,レーレーの原理の與へる結果は眞實のものより必らず大きいから,この所謂"レーレー値"13.37と妹澤博士の近似値14.4とを比較すると,後者は眞實の値よりはかなり大きいものであることが直ちに知られる.そこで,もつと眞に近い値を求める事が望ましくなる.著者は,フィロソフィカル・マガジンに寄與した前論文に於いて,さきにテイラー教授が四邊噛み止められた矩形平板の安定を論ずる時に使はれた方法を應用して,四邊噛み止められた正方形平板の横振動の問題を論じ,正方形平板の基本振動に對して,[numerical formula]といふ結果に到達したが,本論文でば同じ問頴を他の方面から再び論じてゐる.即ち,ワインスタイン博士の一論文から暗示されて,一つの極小値問題を考へ,これに變分法に於ける一つの一般原理を應用して,ρha^4p^2/Dπ^4の眞値に對する下限の數列を計算したのである.計算の結果は[numerical formula]の樣に表はされ,これは上に述べた前論文の結果とよく一致するものである.從つて,吾々は,前論文及び本論文に於ける結果を綜合し,最後の結果として,[numerical formula]を,四邊噛み止められた正方形平板の基本横振動の振動數pを與へる方程式として採つてよいと思はれる.本論文では正方形平板の基本振動のみを考へてゐるが,本論文に於ける方法は,前論文に於けるものと同樣に,一般の矩形平板の横振動及びその他の興味ある問題に對して應用されることは明らかである.著者は,近い將來に,これ等の興味ある色々な問題を取扱つてみたいと思つゐる
資料番号: SA4146445000
収録刊行物
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- 東京帝國大學航空研究所報告 = Report of Aeronautical Research Institute, Tokyo Imperial University
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東京帝國大學航空研究所報告 = Report of Aeronautical Research Institute, Tokyo Imperial University 10 (129), 299-328, 1935-09
東京帝國大學航空研究所
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050285299939574784
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- NII論文ID
- 110004556988
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- NII書誌ID
- AA00387631
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- Web Site
- http://id.nii.ac.jp/1696/00035279/
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- 本文言語コード
- en
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles