大豆作における難防除雑草「ホソアオゲイトウ」の発生生態と防除

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タイトル別名
  • Ecological characteristics and techniques for controlling Amaranthus patulus Bertol., a problematic weed in soybean cultivation
  • ダイズサク ニ オケル ナン ボウジョ ザッソウ 「 ホソアオゲイトウ 」 ノ ハッセイ セイタイ ト ボウジョ

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抄録

福岡県の大豆栽培ほ場において,ホソアオゲイトウの発生が拡大している。そこで,ホソアオゲイトウの防除技術を確立するために,生態的特性および除草剤の効果について検討した。ホソアオゲイトウ1個体の種子数は10000粒以上であった。限界出芽深度は浅く,覆土深度5cm以上では出芽できなかった。土壌表面に散布した場合の発生消長は,播種後10日程で総出芽数の90%以上が出芽した。また,遮光率85%下で出芽した場合,生育は著しく抑えられ,枯死も認められた。土壌処理除草剤クリアターン乳剤,ラクサー乳剤およびフルミオWDGは,ホソアオゲイトウの生存率を無処理区比10%以下に抑え,高い防除効果を示した。非選択性除草剤タッチダウンiQの2倍希釈液の茎葉部への塗布処理は,出穂直後では種子生産が認められず,出穂2週間以降では発芽能力を持つ種子が生産された。以上のことから,出芽深度が浅く,出芽の斉一性も高いホソアオゲイトウの防除には,有効な土壌処理除草剤の使用が最も効果的である。また,大豆の出芽・苗立ちを確保し,速やかに地表面を遮光することで生育を抑制できる。残草した場合は,出穂までにタッチダウンiQの2倍希釈液を茎葉部に塗布処理することで,種子生産を抑制できる。ホソアオゲイトウ多発ほ場では,これらの防除を継続し,ほ場の埋土種子量を減らすことが必要である。

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