答責 (性)・帰責 (属)・責任と意思の自由 (3) : 脳科学を顧みて

書誌事項

タイトル別名
  • トウ セキ(セイ)・ キセキ(ゾク)・ セキニン ト イシ ノ ジユウ(3)ノウ カガク オ カエリミテ
  • Ver-antwortung (-antwortlichkeit), Zu-rechnung (-schreibung), Schuld und Willensfreiheit (in Berücksichtigung der Neurowissenschaft) (3)

この論文をさがす

抄録

本論稿は、(1)編では、拙著『自由意思と刑事責任―脳科学を顧みて』(八千代出版2017年)において論究が不充分であった、(刑事)責任(Schuld)に対する答責と答責性(Verantwortung und Verantwortlichkeit)・帰責と帰属(Zurechnung und Zuschreibung)の関係性とこれらの概念内容を探求し、(2)編において再び、意思の自由を否定する脳科学者のニューロン決定論とそれに対する批判を垣間見て、特に、脳科学者Gerhard Rothとそれに呼応する哲学者Michael Pauenが主張するニューロン決定論を批判的に検討した。そして、「心」が「脳」に付随併発するのではなくて、両者の同時併発と表裏一体性を主張した。(3)編においては、従来の通説である「責任=非難」論に疑問を呈し、責任は非難ではなくて非難の前提条件であることを主張し、「心」の「脳」への還元論と付随併発論のいずれをも否定し、更に、システム理論に基づく「脳」と「心」と「身体」の統合的な単位体としての「人」の意思決定を説いた。そして、この単位体しての「人」が主体的な自由意思に基づいて自己改善を図らなければならないことを強調した。

収録刊行物

  • 駒澤法学

    駒澤法学 20 (1), 98[25]-45[78], 2020-09

    駒澤大学法学部

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ