襟裳岬沖産マンボウ(Mola mola)から得られた寄生虫標本の分類と魚病学教育への応用

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2003年、北海道襟裳沖の鮭漁定置網に混獲されたマンボウ6個体分の鰓および消化管から検出され、保存されていた寄生虫標本について、魚病学教材に資するため、形態学的な検討をした。その結果、橈脚類Cecrops latreilliiおよびLepeophtheirus sp,、Accacoeliidae科吸虫4属、条虫類Bothriocephalus sp.およびAnchistrocephalus sp.が判明した。C.latreilliiの和名はマンボウノチョウとされるが鰓尾亜綱ではないなど、若干の混乱は生ずるが、寄生性甲殻類の形態学的な多様性を示す好モデル教材としての応用が期待された。マンボウ類が希少種という位置付けになり、宿主特異的な寄生虫の保有状況が低下した危険性もあり、新たな材料を用いた再検査が必要であろう。

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