平戸・生月の民間宗教者について - 陰陽道とシャーマニズム

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  • ヒラド イキツキ ノ ミンカン シュウキョウシャ ニ ツイテ オンヨウドウ ト
  • Research on the Shamans of Hirado and Ikitsuki Islands; Yin-Yang Ideology and Shamanism

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五来重氏は中世の遊女の呪具である木偶人形、百太夫に注目し、百太夫がイタコのオシラ様につながるものとして、中世の遊女(巫女)と東北のイタコとの関係を連続するものとして跡づけた。従来の日本のシャーマニズム研究には歴史的な視点が欠落しており、単なる現状のモノグラフとその分析に終わっているといえよう。五来重氏のこの指摘はそれに一石を投じたものであった。本稿は歴史的な視点を取り込みながら、平戸・生月のシャーマン的職能者のモノグラフと歴史的史料を中心に陰陽道とシャーマニズムの関係を考えてみようとするものである。平戸・生月ばかりでなく北部九州一帯には、トウニン、ホウニン、ダイニンなどと呼ばれるシャーマン的な民間宗教者が存在する。そのことについてはすでに別稿で触れた。以下の報告では、彼らのイニシエーションに注目し、また、彼らを生んだ宗教的な伝統を明らかにすることを目的として、平戸・生月の例を取り上げながら、考えてみたい。まず、いくつかの事例を報告する。

長崎大学教養部紀要. 人文科学篇. 1996, 36(2), p.93-104

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