ハエ類の生態学的研究 : 6. 漁村におけるイエバエの発生源について

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タイトル別名
  • ハエルイ ノ セイタイガクテキ ケンキュウ 6
  • Ecological Studies of Flies 6. Peculiar breeding sources of housefly in some fishing villages.

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抄録

1959年11月上旬に,長橋県五島奈留島の一漁業部落で,一見発生場所がないように思われる海岸沿の人家付近に多数のイエバエが活動しているのを認め,その発生源を調査した結果,それは全く想像もしなかったイワシの煮干し加工場にある魚鱗の堆積であることをつきとめ得た.同年11月中旬に,長崎県野母崎町の樺島でも,「ざる」に入れてある魚鱗からのイエバエの発仕を認め,更に同町の市街地裏の海岸では魚の煮汁が絶えずしみ込んでいる砂中から,他のハエに混ってイエバエの各令幼虫がかなりに発見された.漁村においては,魚鱗の堆積や,魚の煮汁がしみ込んでいる砂浜がイエバエの大きな発生源になる場合があるということは今まで知られていなかったことで,生態学的にはま極めて興味深く,防除策を講ずる上に特に注意すべきことであると思われる.

The pile of fish (sardine) scales taken off in the process of washing and boiling sardines was found acting as a major breeding source of housefly in some fishing villages in Nagasaki prefecture. The sandy soil near seashore soaked with the stock containing waste in the process of making fish-manure also act as a breeding source of the fly. The above findings are very important and noteworthy in making plan of controlling housefly in these fishing villages.

長崎大学風土病紀要 4(1), p.60-63, 1962

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