マダイ筋原線維結合型セリンプロテアーゼの同定

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  • Identification of myofibril-bound serine protease from red seabream (Pagrus major) ordinary muscle

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抄録

マダイの筋肉を4回洗浄し,水溶性タンパク質を除去した筋原線維タンパク質を調製した。この筋原線維タンパク質を55℃で加熱した結果,ミオシン重鎖の分解が観察されたことから,マダイ筋肉にも筋原線維結合型セリンプロテアーゼ(myofibril-bound serine protease, MBSP)が存在することが示唆された。マダイの筋原線維のBoc-Phe-Ser-Arg-MCAに対する分解活性はマエソの約1/30であり,SDS-PAGEで観察されたマダイのミオシン重鎖の分解も,マエソと比べて緩やかであった。筋原線維タンパク質を55℃で10分間加熱し,遠心分離で上清を得た。この上清を凍結乾燥し,蒸留水に溶解してMBSPの粗酵素液とした。マダイの筋原線維と結合したMBSP及びMBSPの粗酵素液のプロテアーゼ活性は,セリンプロテアーゼ阻害剤であるPefabloc SCにより阻害され,両酵素はアルギニン残基をP1部位に持つ蛍光合成基質をよく分解した。MBSPの粗酵素液は,Boc-Phe-Ser-Arg-MCAに対して55℃,pH7.0で最も高い活性を示した。以上の結果から,マダイのMBSPは,シログチ及びマエソのMBSPと同様にトリプシン型のセリンプロテアーゼであることが示唆された。

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